女子校じゃトキメキもないさ。(やさぐれ)
男子校は何かあればいいと思う。(腐的妄想)
例えばしょうどんで、行灯先輩と後輩の将軍。卒業式当日の甘酸っぱい青春の1ページ…とかw
何かいいじゃんww
じゃなくって!!今日は新たなカテゴリー【一発芸】を追加、そして更新です。
その名の通り、多分一回こっきりになるであろうネタのSSです。
今後増えるかどうかは気分次第です。
初の一発芸は『天ジュノ』です! これが散々言ってた大いなる横道SS。
世良渡海とか書いておきながら…裏切り者と呼ばれれても仕方ない;;
だって萌えちゃったんだもんw アサヒのらぷそでぃーが悪いんだww
萌えは熱いうちに書け!(←鉄は熱いうちに打て!)
ってことで、以下SSの概要と注意点です。
渡海センセを忘れられないまま、天城センセと関係を持ってしまってグルグルな世良ちゃん。でもそれを許す天城センセ。……というコンセプトです。
・ここでの世良ちゃんは受けです!
・途中、わずかにピンクゾーンをかすめるので、R15くらいにさせて下さい。(ハーレクイン・天城が絡むとどうしてもイケナイ事になってしまった;;)
以上OKな方は続きからお入り下さいww
あ、拍手パチパチもたくさんありがとうございますw うっれしいな~ww
某Nさまに捧げますww
桜は忘れない
―――世良、立派な外科医になれよ。
そう言って立ち去る後ろ姿。どんどん遠ざかって霞んで見えなくなる。
『ま、待って下さい!』
世良は必死に追いかけ手を伸ばすが、その後ろ姿は無情にも消え去ろうとしている。
『先生っ!……先生っ、行かないで…下さいっ!!』
ゆらゆらと歩く姿が……ふわり、と消えた。
『……先生っ!!」』
「…ノ、ジュノ。どうしたんだい?」
「……あ」
世良は目を開けた。
ここは…天城の部屋だ。自宅の布団とは比べ物にならないくらいの高級な寝具の上、世良はうっすらと汗ばみながら目覚めた。呼吸が軽く乱れている。
「大丈夫か?」
天城が世良の髪を優しく梳いた。まるで子供を宥めるような仕草で何度も撫で、薄く笑みを浮かべていた。
「ジュノ?」
「あ…だ、大丈夫、です。」
世良は慌てて身を起こした。掛け布団が滑り落ち、裸身がさらけ出された。その胸に散る赤い印は先ほど天城が刻んだものだ。
「だいぶ魘されていたが、悪い夢でも見たのかな?」
天城の問いには心なしか棘を含んでいるように聞こえた。
「いえ……」
世良にとっては悪夢ではなかった。むしろ懐かしい、でも泣きたくなるほど切ない思い出だった。
「では…“トカイ”とは誰だい?」
世良は一瞬心臓が跳ね上がった。瞬きも忘れたように目を丸くして、世良は天城を見つめた。
「な……ん、で……」
「魘されながら呼ぶんだから気にもなるだろう。しかもここは私のベッドルームだ。」
天城が気分を害して嫌な感じで笑う。
「ご、ごめんなさいっ!お、俺…」
「答えになってないよ、ジュノ。誰だい“トカイ”とは?先生と言っていたから学生の頃の教授かな?恋人だったのか?夢にまで出てくるとはどれほど魅力的な女性だったのか…」
天城は意地の悪い声音で迫り、柔らかいベッドへ世良を押し倒した。目覚めた時の優しげな表情が嗜虐的な妖しい顔に変わっていた。
「ち、違います!渡海先生は男です!」
「え?」
天城の表情がまた変わった。今度は少し困惑している。
「でもジュノは男は私が初めてだろう?」
人が赤面するような事をさらりと言ってのける。世良を初めて抱いた時、天城はそれを確信していた。
「あの…だから……俺が渡海先生を………」
組み敷かれながら、顔を背けて世良はしどろもどろで告白した。
渡海は佐伯教授の元にいた外科医で、ある事件をきっかけに病院を辞めてしまったと。
一緒にいた期間は一年もなかったが、様々な事を教えてもらっていた事。その間に関係を持つようになった事……
「俺は…まだあの人に教わりたい事とかいろいろあったのに……。」
「……。」
「いつも素っ気ない振りをして意地悪で、でもさりげなくサポートしてくれて。本当は優しい人だったんです。」
「愛していたのかい?」
はっとして天城を見た。天城が驚くほど真摯な目で世良を見つめている。
「天城せんせ」
「君は渡海を愛していた…いや、今も愛しているんだね?」
世良は言葉に詰まってしまった。
「愛……だったのかな?」
「ん?」
世良の心許ない言葉に天城は首を傾げた。
「渡海先生は大人で…俺のことなんていつも子供扱いで。でも俺はただただ先生の事が好きで…大好きで。いつでも先生の事が欲しくて…。」
「…」
「大好きだったあの気持ちは…愛、だったのか‥な?」
「ジュノ……」
本当は他の男の思い出話をする事に腹を立てていたのだが、それを責めるには世良の様子は痛ましかった。
「俺ばっかり欲しがって、でも先生は仕方ないとか面倒だなんて言いながらも付き合ってくれた。本当に俺ばっかりで…何も言わない先生に甘えて欲しがってばかりだったんです。」
「後悔してるのかい?」
「…いいえ、してません。ただ先生の本心を質せなかったのが残念でした。」
世良は天城の下で寂しそうに笑った。
「ならば私はどうなんだい?」
「え?」
「私は君に惹かれ、欲しいと思った。だから今、君を抱いている。そこに愛が無いと思うのかい?」
「あ…」
「ジュノから私を求めた事は今まで無かった…と思うんだが。君は嫌々抱かれているのか?」
「違います!天城先生を嫌いならこんな事、許しません!」
男にに、しかも嫌いな人間に抱かれるなんて自虐の趣味は世良には無い。
第一印象は最悪だったが、一緒に仕事をしている内に思想に惹かれ、人柄に惹かれて。気付けば天城の手の内に堕ちていた。しかしそれは決して嫌ではなかった。
この人の元で学べば、また違った新しい道が開けるかもしれないと思い、そして彼にすべてを委ねた。
そこにあったのは打算ではなく信頼だ。
「先生……抱いて下さい、もう一度…」
世良は自ら天城の首に手を回し、唇を重ねた。それは天城によってすぐに官能的なキスに変わる。
「情熱的な誘いは嬉しいが…昔の男の夢を見て寂しくなったのかい、ジュノ?」
「違う!今は先生だけなんです!俺、先生が…先生ならば…!」
何故解ってくれないのかとじれて苛立つ世良を、天城は苦笑しながら抱きしめた。
「怒るな。言い過ぎだったよ、ジュノ。解ってる、解ってるから。」
そう言って世良の髪をそっと撫でた。
「今日はすみません…本当に。変な話をしてしまって。」
「そうだね。ピロートークで昔の恋人の話をされるのは気持ちいいものではない。」
「……。」
「でも…」
天城が再度キスを仕掛け、身体中に愛撫の手を施せば世良の甘い吐息が漏れる。
「今ジュノを抱いているのは誰?」
「あ…ぁ……」
「誰に抱かれているんだい?」
「あ、まぎ……せん、せ」
天城は更に優雅な手を世良の下肢へと伸ばし、中心をそっと撫で上げる。世良の腰が快感に跳ねる。
「ジュノの大事な部分を触ってるのは誰?」
「ん… はぁ……」
「言わないとこれ以上はあげないよ?」
快楽に流されそうになる世良の意識をわざと引き戻す。世良は溜まらず叫ぶように声を上げた。
「あま、ぎせんせっ!先生っ、も もっと欲しいからっ!」
「よく言えたね、ジュノ。……愛してるよ。今は私だけのものだ。」
言葉の媚薬を世良の耳に流し込み、天城はより愛欲の深みへと世良を誘い込んだ。
「…君は“トカイ”に愛されていたよ、間違いなく。」
達した後、意識が途切れたように世良はそのまま眠りにつてしまった。その寝顔を優しい目で見守りながら、天城は呟いた。
「それはもう自分で答えを出しただろう?」
眠る世良に問いかけ、薄く笑った。
―――嫌いならこんな事、許しません!
それは彼も同じだったはずだ。彼に恋情があったのかは定かではないが、それでも世良の求めに何度も応じて身体を重ねていたのだから愛おしさはあったに違いない。
そして…未だ世良の心の一部を支配しているのだ。彼は世良の心の欠片を持って姿を消した。
世良のすべてを手に入れる事は出来ない、と天城は悟った。
しかしだからと言って世良の中の彼の存在を無理に消そうとは思わなかった。すでにそれは世良という人物を構成する一部になっているのだから。
“トカイ”という男がいてこその世良なのだから。
「ジュノの事は私が大切に育てるよ、“トカイ”。」
天城は見知らぬ男に向かって呟いた。
世良は医師として骨のある将来が楽しみな逸材であり、愛おしいパートナーでもある。
彼を桜の木のように、強く美しく育て上げたいと切に思う。
天城の願いが成就した暁には、世良はきっと桜の大樹となって医療現場で美しい花を咲かせるだろう。
「それまでは、ジュノ……私の掌中で綺麗に咲いてくれ。……君という苗木を枯らさぬよう、私が守るよ。」
天城は誓うように眠る世良に口づけた。
そして……
渡海が見出し、天城が育て上げた世良は遠い未来に北の大地で花を咲かせようと奮闘することになる。
おわり
初書きの天城先生が…難しい。ハーレクインの痒いような甘さが出し切れなかった。