明日からはまた腰を据えてパソの前に座れる日が少なくなりそうなので、今日のうちにUPです。
本日はお待たせのキリリクSSです。
お題は『ラブラブwwな将軍行灯』と言うことでした。
が!!
今回はラブラブの意味を完全に取り違え、リクSSなのに若干下ネタ系に走るという暴挙に出ました。
最近のストレスの後遺症と言い訳させて下さい。
マイガイドラインで、ズバリそのものは無いのでR指定は付けませんでした。
ラブラブ…と言うか、バカなイチャイチャです;;
でも愛は…あるはずですので、見出してやって下さい。(他力本願)
微妙な仕上がりですが…Cさま、ご笑納頂ければ幸いです。
拍手パチパチもありがとうございましたw 大感謝!!
Bath timi
それはただのイタズラ心で、こんな事になるなんて誰も予想していなかった。
田口は誘われて久しぶりに速水の自宅へ泊まりに行った。ひと通り食事も済ませると当然のように風呂を勧められる。
「なぁ、一緒に入ろうぜ?」
「え…」
「いいだろ?お前んとこより広い風呂場だぜ。」
「広いけど二人で入れば狭いだろうが。」
田口が渋ると速水はちょっと思案顔になるが、すぐさまイタズラな笑顔を見せる。
田口の耳元に口を寄せ、甘えた声で囁く。
「久しぶりだから、一緒に入りたい。お前といると夜が短いから時間が惜しい。」
なんて言われれば、田口は真っ赤になって「馬鹿…」と小声で抗議するが否定はしなかった。
そしてそのまま風呂場と向かう田口の後ろ姿を、速水はニヤニヤと笑いながら見ていた。
田口が風呂場に入ると鏡前の台の上に小さな袋が置いてあった。つまみ上げて見ると入浴剤らしい。中身は液体らしく、『トロけるお湯』なんて書いてある。
「お~い、速水!コレ入れていいのか~?」
ドアを開けて大声で尋ねると
「ああ、入れてみろよ。新製品の試供品だって。」
と返事が来た。
「ふうん…試供品ねぇ?」
田口は袋を眺めてから封を切った。
「試供品、どうだ?」
「ん~…微妙?」
バスタブで温まっているところに速水が入って来て、そして湯をすくって声を上げた。
「おおっ…『トロける』ってこう言うことかぁ。」
バスタブから手を出すとすこし粘り気が残るが不快ではない程度だ。どうやらお湯にとろみをつける入浴剤らしく、香りも優しい微香のフローラル系。
「しかし、何でとろみなんだろうな?」
田口が首を傾げると、速水も「さあなぁ。最近の流行はわからん。」と言ってさっと身体を流すとバスタブに入って来た。それと入れ替わりに田口が出ようとしたら、速水に腕を掴まれた。
「いいだろ?」
「狭い。」
「いつものことだろうが。」
そう言って田口を強引に引き戻し、足の間に座らせた。確かに一緒に風呂を使えばいつもの事だが、田口にしてみれば恥ずかしさが先に立って、やっぱりいつまでたっても慣れるモノではない。渋面を作っているものの、赤面は隠しきれない。
速水はそれがまた可愛くて、ついつい構いたくなるのだった。
「何だか変な感覚だな。」
田口はまとわりつく湯の感触が気になって落ち着かず、速水の足の間で身じろぐ。
「…っ!馬鹿、そんなとこで動くな。」
速水がちょっと焦った口調で田口を窘め抱きしめた。
「ん?」
……腰のあたりに固い感触が当たった。
「ど、どっちが馬鹿だっ!」
田口は知らぬ内に速水を煽ってしまったらしい。
「…何かローションで扱かれてるみてぇ……」
「///……」
確かに言われてみれば田口にも心当たりのある感触だった。なんて思っていると、速水のイタズラな手が田口の股間に伸びてやわやわとそこを握った。
「っ、やめ‥っ!」
先に言われた事が頭から離れない。いつも慣らすのに使っているローションが全身にかけられているみたいで……
身体をまさぐる速水の手の動きをを必要以上に感じてしまう。
「気持ちいい?」
速水は耳朶を甘噛みしながら囁く。
「や…ぁ……」
田口は何とか逃れようと身を捩るが、快感の方が強くて力が入らない。しかし、うかうかすると湯の中で滑って快楽どころか風呂に溺れてしまう危険を感じた。
「は、やみ…やぁ‥だぁ……」
不自然な格好と状況で高められた欲は田口をジレンマに落とし、思考が混乱する。
「良いの間違いだろ?…ほら、ここは悦んでる。」
「あ…ぁ……」
速水に慣らされた身体は、正直に快楽を求めている。後ろから抱きしめられ首筋を、胸を、そして固くなった中心を攻められれば、田口は為すすべもなかった。
くるりと反転させられて、田口は速水の腰に跨って抱きつく格好になる。
後はもう……となるしかない。
「あっ…っん……っ」
密着して抱き合って、互いの身体に手を這わす。
しかし思った以上にとろみのついた湯で触れあう肌が滑って、抱き合う心地が悪い。先ほどの田口の心境ではないが、この中では滑って二人で溺れる事になりそうだ。
同じ思いに至った二人はひとまずバスタブから脱出することにした。
田口は力の入らない足腰でどうにかバスタブの縁を跨ぐ。が……
「うわっ!!」
ある意味ローションまみれの身体は滑って、色気のない叫び声を上げて洗い場に尻餅をついた。
「っ…たぁ……」
「だ、大丈夫かよ?」
さすがの速水も焦ったのだが、それがまた災いした。慌てて出ようとした速水が、これもまた見事に足が滑った。
「うぉっ!!」
「うっ!!」
今度は速水が田口の上に倒れ込んだのだ。体格の良い速水にボディアタックされれば、鍛えていない田口はひとたまりもない。
「わ、悪い、行灯!!怪我は?!」
「……。」
「田口っ?!」
「……は、やく‥どけ。俺を腹下死させる気か?」
恨めしげな視線を送られて、速水は慌てて、しかし滑らないよう気をつけて身体を離した。
「あ、頭とか打たなかったか?」
「ああ、それは大丈夫だが腰が痛い。お前は?手とか痛めてないか?」
速水がひと通り手を動かして、無事なことを確認したところで田口がおもむろに切り出した。
「なぁ…正直に答えろよ?」
「何だよ。」
「この入浴剤、本当に試供品か?」
ぶつけた腰をさすりながら、田口は疑いの眼差しを速水に向けた。
「こんな新製品、絶対危険だぞ?これじゃあ風呂場の転倒事故が多発して、オレンジに運び込まれる怪我人続出だ。」
「……。」
「は、や、み?」
田口に逃げを許さない口調で顔をのぞき込まれて速水は観念した。
実は……
先日ものの弾みで二人でラブホテルに入った。その時に風呂場に置いてあったアメニティグッズの中のひとつだった。つまるところ、ラブグッズという物だ。
その場はシャワーだけで済ませてしまったので、何となく興味を引かれて持って帰って来てしまったのだ。
「お前なぁ……」
田口は呆れて言葉もない。速水は事の顛末に恥入るしかなかった。
「すまん…こんな事になるとは……な。」
「こんな状態で二人そろって大怪我でもして、万が一オレンジにでも運び込まれたら言い訳も出来ない。」
「…まったくだ。」
いい歳した男二人が風呂場でヌルヌルになって素っ裸で転倒事故だなんて、恥ずかしくて人前に出られない。それ以前に説明に困る。
田口は速水を睨み付け、速水は神妙にうなだれる。
「……っ くっ…くくっ……っ」
「…ぷっ…っ」
―――真剣に怒るのもバカらしくなって来た。
裸のまま怒ったり、反省したって格好がつかないことにようやく気付いた二人。
「馬鹿だよな。」
「主にお前が、な?」
「うるさい。まさかこんなになるとは思わなかったんだ。」
風呂場で床に座ったまま笑いながら言い合えば、さっきまでの痛みも呆れもどうでもよくなってしまう。
速水は今度こそ慎重に動き、シャワーを手に取って自分と田口の身体を丁寧に洗い流す。
もちろん愛を込めて、だ。
田口の身体がすぐに熱く疼き、速水に身を任せた。
「取りあえず…ここでシようぜ?」
「最初か、ら そのつもり、だった…く、くせに……」
息が上がり始めた田口の文句を速水は唇で塞ぐ。
「いつもよりサービスしてやるから許せよ。ローションはたっぷりあるから、な?」
そう言いながらバスタブの湯を田口の中心にかけた。
「っ!バ、カッ!!」
田口は火照った顔を少ししかめて、速水の髪を引っ張ってやった。
結局は速水の好き勝手を許してしまう自分も相当な馬鹿だ、と田口が内心で苦笑していたのは秘密だ。
こんな時に意地を張るのも馬鹿らしい、と田口は理性を放棄して速水に縋りついたのだった。
ここまで滑るのかは別として、こういうグッズはあるんですよ~。という知識だけはある。
やっぱり一番のバカは書いた本人てことで決定☆