愚痴外来の将軍×行灯推奨のSSブログです。たまに世良×渡海や天ジュノも登場。
No.95
2010/10/18 (Mon) 23:34:42
スパークからあっという間に一週間以上経ってしまった。
早いなぁ。
今日は以下にスパークで配布したフリーペーパーに載せた小話を出しておきます。
ちょー短いからね。
明日いろいろとメールやらお返事やらをします。
明朝は……4時起床だ!
早いなぁ。
今日は以下にスパークで配布したフリーペーパーに載せた小話を出しておきます。
ちょー短いからね。
明日いろいろとメールやらお返事やらをします。
明朝は……4時起床だ!
秋の恋花
「あれ藤原さん、これって何でしたっけ?」
今日の不定愁訴外来には何故だか大きな花束が飾られている。
実はここに通うガーデニングが趣味の患者からの頂き物だ。色合いは地味だが、秋の草花が美しくまとめられている。このように綺麗な花は心を落ち着かせるこの外来には相応しいと思い、田口は有り難く頂戴した。
その中にひと際地味で、花なのか実なのかよく分からないものを見つけた。
「ああ、これは『われもこう』ですよ。花束のアクセントとかによく使われるんです。」
「『われもこう』…ですか。」
田口は記憶の底から昔読んだ本の情報を引っ張り出した。
―――確か…赤い花を探しに来た人に『吾(われ)も亦(また)紅(あか)なり』って主張したって書いてあったっけ。
地味な割に自己主張が強いんだな、なんて思った事を思い出した。
それと同時に思い出したもう一つの意味。
―――『吾亦紅』は……『吾(われ)も恋う(こう)』
脳裏に浮かんだのは、翻す白衣を赤い血に染めて命の最前線で陣頭指揮を執る男のこと。
あんなに凛としているのに職場を離れて気を抜けば、結構甘えたがりなのを知っているのは田口だけだ。
そう言えば、アイツも『赤』のイメージだな…と自分の連想に納得してしまって、小さな笑みが零れてしまう。
次にアイツが来て好きだと言われたら、この花を突き出してやろう。
きょとんとするに違いない。そんなアイツを見るのも楽しいだろう。
この花が枯れない内に…アイツがこの部屋に来ますように。
吾亦紅の話はロマンチックで好きなんですww
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