でも11日は他にも色々な記念日が…
靴下の日、恋人達の日~靴下2足を並べた時に1111に見えて、一年に一度同じ数字が重なる事から恋人同士で靴下を贈り合おう!…的な日。
・下駄の日~足跡が1111に見えるから
・電池の日~プラス(+)マイナス(-)を十一に見立てて…
・もやしの日~もやしを4本並べてるみたいだから
・煙突の日~煙突が4本並んでるみたいだから
・鮭の日~鮭の文字の旁が「圭」で十一十一だから
等々です。
下駄、もやし、煙突あたりはもう、理由が一緒(笑)。
一番お題的に美味しいのは恋人達の日あたりですか。実は今日になって初めて知ったので、時すでに遅し…です;;
あ、でも鮭の日あたりで、将軍が北の地から新巻鮭を送りつけるって手もあったかも。
行灯、さっぱりわからず、お歳暮と勘違い(笑)。
と、取りあえず…順当にポッキーの日で行きました。
拍手パチパチ、ありがとうございます!!
Do you like Pocky?
「何だか今日はたくさんポッキーをもらってしまった。」
今日の患者は何故かポッキーやプリッツを持って来た。回診でもいくつか頂戴した。
机に並べてに見れば味もいろいろ。スタンダードなチョコから懐かしいイチゴ味までバリエーションにも富んでいる。
「田口先生、いますか~?」
ノックと共に暢気な声で入って来たのは兵藤だ。そして机上のラインナップを見るとぷっと吹き出した。
「何ですか、コレ!駄菓子屋でも始める気ですか?」
「馬鹿言うな。患者さんにもらったんだ。」
「ああ、今日は『ポッキーの日』ですもんね。」
「何だ、そりゃ?」
田口が首を傾げると、兵藤はわざとらしく大きな溜め息をついて首を振った。
「1をポッキーに見立てて、それが四つ並んでポッキーの日なんです。知らなかったんですか?CMとかでもやってますけど。」
「そんなモン、知るか。」
最近は忙しくてテレビだってろくに見ていないし、元々そんな日だって知らない。
「それより何だよ。用事が無いなら帰れ。書類が残ってるんだ。」
兵藤は慌てて持って来た新患のカルテを出し、田口が目を通すとあれこれと打ち合わせをした。
「ポッキーと言えば思い出しますね。」
ひと通りの話が終わると、兵藤はまたポッキーの話題に戻る。
「ほら、合コンとかでやりませんでした?ポッキーゲーム。」
「……。」
田口に合コンの思い出は少ない。呼ばれても数合わせ要員だから大して思い出も無かったが、ポッキーゲームくらいは知っている。
「残念ながら俺はやらなかったな。」
などと言ったそばで、いつの間にか兵藤は一箱を開けていた。
「おい、俺のもらい物だぞ。勝手に開けるな。」
「こんだけあるのにケチくさい事言わないで下さいよ。僕、コレ好きなんです。」
兵藤は中袋をピッと開けて、ビターチョコのポッキーを一本くわえて田口を見ながらニッと笑った。
「おい、行灯!」
ノックと同時に入って来たのは言わずと知れたICUの将軍、速水だ。
その速水が入室と同時に見た光景は…
テーブルを挟んで座る田口と兵藤。兵藤は何故かポッキーをくわえて田口の方へ向いている。
速水の脳内で、状況が不埒な方向へ一発変換された。
「ほう…兵藤医局長はポッキーゲームがお好きか?」
「!!」
妙に丁寧な口調の速水に、兵藤の顔色がさっと蒼白になりそのただならぬ気配に硬直した。
「おい、速水。そんなに脅かすなよ。」
田口が苦笑して冗談混じりに窘めても速水は聞いていない。
「白昼堂々と勤務中に、医局長の権力をかざして部下をゲームに誘うとは…大したもんだ。」
兵藤はオレンジの将軍にここまで言われて平気でいられる強者ではない。したい言い訳は山ほどあったが、視線だけで射殺されそうな雰囲気に這々の体で逃げ出した。
その後ろ姿を速水は鼻で笑って見送り、それを田口は呆れ顔で見ていた。
「お前、馬鹿だ。本当の馬鹿だったんだな。」
ここまで来ると田口は呆れる事しかできない。
「ふん、あのくらいの冗談で逃げ出すとは疚しい事があるんだろ。」
冗談ならあんなに凄むなよ…田口は心で呟いた。どうせ口で言っても聞き流されるだけなのは分かっていた。
諦めてコーヒーを出すと速水は満足そうにカップを手に取った。
「それにしても今日のお供えは凄まじいな。」
「今日はポッキーの日なんだとさ。」
さっき仕入れたばかりの知識をさりげなく披露する。
「ああ、何か聞いた気がする。うちのスタッフだったかな?テレビだったかな?」
そう言いながら速水もポッキーを物色している。
「まさか患者にまでポッキーゲームを強請られたんんじゃないだろうな?」
「真面目に言ってるんだったら二度とこの部屋の敷居は跨げないと思え。そんな不埒な患者さんはいない。」
「冗談に決まってんだろうが。」
ちょっとからかい過ぎたと思ったのか、速水は苦笑して肩を竦めて見せた。
「で、お前はどれが好きなんだ?」
「…どうしてここで、『で』なのかな?」
と不満気にしながらも、つい釣られてスタンダードなチョコレートのを手に取った。
「まぁ定番だよな。」
速水はそう言って田口の手から箱を奪うと、さっさと開封して一本田口の口元に向かってさりげなく差し出した。
それを田口もうっかりと自然な流れでくわえてしまった。
速水がしてやったりといたずらな笑みを浮かべた時は、すでに遅かった。
「先に折った方が負け。罰ゲームあるからな。」
と言うが早いが、もう一方の先端を口にくわえ食べ始める。田口が文句を言うヒマも隙も無かった。
唖然としたまま何も出来ず、田口は片端をくわえたまま。
速水の罰ゲームなんて、何を要求されるか分からないから負けるワケにはいかない。かと言って食べ進めるのは抵抗がある。
速水の顔が目で笑ったままどんどん近付く。
文句なしの端正な顔がキスの距離まで近付けば、田口はたまらず目を瞑ってしまう。
まるで誘っているかのようだ。
速水がポッキーと一緒に田口の唇を遠慮なく頂こうするまで、あと1センチ……
そこで速水のPHSにコールがかかった。
「あ…」
その瞬間、コールに反応した速水の身体が揺れてポッキーは無惨に折れた。
離れる速水の温もりにそっと目を開けると、先ほどとは違う真剣な救命医の顔で指示を飛ばしていた。
PHSを切ると「残念、タイムアップだ。」とちょっとおどけて見せたので「お前の負けだな。」
と田口も苦笑しながら言ってやった。
「仕方ねぇな。罰ゲーム、考えておけよ?」
と言って去ろうとした瞬間
チュッww
「!!」
キスされた。しかも唇を舐められた!
「は、速水っ!!」
「ごちそうさんw 口にチョコが付いてたぞ。」
と言って大満足の笑顔で去って行った。
結局は速水の思う通りに事が運んで、田口は憮然としてしまう。
―――罰ゲーム?冗談じゃない!あいつが楽しみたいだけじゃないか!
結果、いつまで経っても罰ゲームが執行されず、速水ががっかりしたとか、しなかったとか。
逆に田口が罰ゲームをさせられたとか……
私はイチゴポッキーが好きだ。しかしプリッツのサラダ味も捨てがたい…(←どうでも良いこと)
