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愚痴外来の将軍×行灯推奨のSSブログです。たまに世良×渡海や天ジュノも登場。
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No.277
2011/11/26 (Sat) 21:26:39

11月26日はいい風呂の日だそうです。
昨日のチビ行灯を今日UPすればよかった。

しかしどうしてもいい風呂にあやかりたくて、お風呂しょうどんを捻り出しました;;
やっつけ仕事ですが、お楽しみ頂ければ…

あ、R18にはなりませんでした^^ヾ

拍手[9回]


素敵なバスタイム

とある休日、田口がバラの花を持って速水の家を訪れた。
「何だそりゃ?」
花束という訳ではない。本当にバラの花の部分だけ摘み取った物が紙袋一杯にに詰められていた。
「うん、実は…」
田口はここに来る途中、スーパーの前で荷物が重くて困っているお婆さんを放っておけず近所だという家まで送ってあげた。
すると大変感謝されてお茶をご馳走になり、自慢の庭まで披露してくれた。
「小さかったけど、確かにその庭は自慢するのも解るくらい綺麗なバラ園だったんだ。」
「へぇ…」
「もう少しお茶でもって引き留められたけど、これから約束があるっていったら…何か彼女とのデートだと勘違いされてコレを貰ったんだ。」
「デートとコレとどう関係があるんだ?」
バラを花束にしてくれるのなら解るが、これでは花瓶にも挿せないだろう。
「時間を取らせてしまったお詫びに彼女にどうぞって。水を張ったお皿とかボウルに浮かべて楽しむんだとさ。今朝摘んだばかりだと言ってたから良い香りだ。」
改めて紙袋を開けると確かにバラの芳香が漂う。さすがに生花の香りは芳しい。
「しかしなぁ…俺んとこに置いても無駄だな。」
「そんなのウチだって同じだ。しかしせっかくの気遣いを無駄にも出来ないし…。」
このままにしておけば、生花だから萎れてしまう。結局、いったんここで水を張った皿に取り出し、明日にでも外来へ持って行くことにした。ちょっと変わった楽しみ方だから藤原も喜ぶだろう。

「なぁ…あのバラ、少し使ってもいいか?」
速水がそんな事を言い出したのは夕食後だった。
「? この家で何か使い道なんかあったか?」
「まあ楽しみにしてろよ。せっかくデートで使えって貰った物なんだから、有効に使おうぜ。」
ニュアンスが若干違うと思ったが、速水が何に使うのか興味もあったので好きにさせてやった。
速水は花をいくつか持って奥へ…その方向は風呂場。この部屋の風呂場はなかなか広くて心地良い。そこまでくれば田口も使い道を察した。
「おい…それをやるのか……」
行ってみると、バスタブに張られた湯に先ほどのバラの花弁を鼻歌交じりに散らしている速水の姿があった。
「なかなか雰囲気があるだろ?」
「お前に少女漫画みたいな趣味があるとは知らなかったな。」
「俺一人じゃ絶対にやらないが、お前とならやってみたくなった。」
と言ってニッと笑った。今日は一緒に風呂に入ろうと言う何とも直接的なお誘いだ。本来なら断りたい。一緒に入ると絶対にナニを仕掛けてくるのは今までの経験で分かりきっている。しかし…断っても無駄なのが解っているのが残念でならない。
要は行為の後か先か、順番の問題にしかならないのだ。

―――いい男って言うのは何でもサマになるなんて…狡いよな。
先に入った速水を追って、田口も諦めて風呂に入るとバラの花弁を浮かべたバスタブに速水が入っている。黙って何もしなければ、カッコ良く見える。
―――俺が入ってたら笑っちゃうよな。
田口はこっそりと貧相な自分の身体と速水の堂々たる引き締まった体躯を比べてがっかりする。
「ぼーっとしてないでお前も入れよ。」
バスタブから手を伸ばして田口の手首を掴んだ。ニヤリと笑う顔が殴りたくなるくらい男前なのが憎らしい。ここまで来てしまえば拒む事も出来ず、速水に促されるままバスタブに入った。お湯が揺れるとバラの芳香が高まり甘い香りにいつもとは違う心地で肩の力が抜けるようだ。
「バラの香りってリラクゼーション効果があるのか?」
「う~ん、よく知らないが入浴剤とかはフローラル系が多いような気がするな。」
「しかし生花の香りはまたひと味違うもんなんだなぁ。」
速水は結構ご満悦の様子でやはりリラックスしているようだった。田口の方も見た目も香りもよろしい趣向に気を取られ、少しだけ油断していた。

「なぁ行灯…いいよ、な?」
速水に後ろから抱かれ耳元で甘く囁かれた時には、もう遅かった。
「は、や…み……」
速水の指先が田口の身体を撫でる。すべてを知り尽くしたその指は田口の弱い部分を確実に捕らえて暴いて行く。
「やっ… そ、こ…ヤ、ダッ」
湯の中で暴れると波だった水面のバラが芳香を放って、それが田口の脳を甘く蕩けさせる。速水が首筋に唇を這わせ「お前…良い匂い……興奮する」と言って田口の耳朶を甘噛されると下肢に熱が集まる。速水自身も充分に熱くなっていて、田口の文句も抵抗と呼べるモノではなくなっている。
バスタブの中で向き合って、抱き合って……濃厚なキスが始まりの合図だった。


当初の田口の予想通り、風呂場で二回とベッドで…何回かなんて忘れてしまうほど濃厚な夜を過ごしたのは良かったが、花弁を一晩そのままにしてしまった為にバスタブが飛んでもない事になってしまったが幸せの代償だった。
天然色素、恐るべし。
 


お粗末様…いい(思いをした)風呂の日でした。
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