拍手もありがとうございます!これからも頑張りますね!
あと、300のキリ番ですが…私の設定ミスでキリ番を踏んだ時に出るはずのポップがオフになっておりました;;ごめんなさい。
もし「私、300踏みました!リクしたいです!」という方がいらっしゃいましたら、拍手でもメルフォでもいいのでご連絡下さい。
すっかり世良渡海にやられてます。将軍行灯とは別腹です。
将軍行灯は甘味仕様のバカップルですが、世良渡海はちょっとスパイスが利いた大人のデザート的な?
なんせ渡海センセーですからねぇ。甘味より酒と煙草です(笑)。
今は消えたSSの復元作業と同時に、世良渡海2本を作製中。
ここのお客様に、世良渡海はどれだけの需要があるんだろ?と怯えながらも、思いの丈を吐き出さずにはいられないのでした……
さて、本日の小話はミニ小話。
ある日の休日の将軍行灯です。将軍、放置プレイされるの巻です~。
あ、ぜんぜん健全ですから(笑)。
夢中にさせて
先日買った本が意外と面白い。
田口は黙々と、そしてゆっくりとページをめくっていく。
そしてその向かい側、テーブルの向こうには拗ねた顔の速水が座っている。
「あ~んどん、何読んでんの?」
田口は無類の読書好きだ。だからその邪魔をするのは悪いと思うが、たまの休日に放置されてはたまったもんじゃない。恋人なのだから二人きりならもっと恋人らしい事をして過ごしたい。
「なぁ…」
「ああ、この前買ったミステリー。恋愛要素が多くて前評判はあんまり良くなかったんだけどさ、好きな作家だし買ってみた。ところが意外と面白いんだ。」
「へぇ…」
「最初の展開はまどろっこしくてお決まりのパターンかと思ったんだけど、かなり作り込まれた話でさ。」
「ふうん…」
好きなジャンルでは饒舌になるのが田口の癖だ。
気のない速水の返事に怒りもせず、田口はまた本に没頭し始めた。
「おい、もう夕方だぜ?」
あの後速水は不覚にも眠ってしまった。普段の疲れが溜まっていたのだろう。
「ああ…もうそんな時間かぁ。」
田口は栞をはさんで本を閉じ、う~んと大きく伸びをして首を回す姿に速水は大きく嘆息した。
「そんなに面白いか?」
「ああ?うん、なかなかね。」
「ふうん……本物より作り事の方が楽しいのか?」
ふて腐れる速水に田口は一瞬目を見張ったが、すぐに悪戯な表情に変わった。
「だって面白いんだよ。」
「俺が面白くない。」
「じゃあ、何か他に面白い事探して来いよ。」
「ふん…下らない。」
速水は乱暴に、そして濃厚なキスを仕掛けた。
「…んっ…はぁ……ん……」
色めいた吐息が漏れたところでようやく唇を解放して、濡れた口元を舐め上げる。
「作り話と今の続き…どっちがいいか選ばせてやる。」
雄の笑顔を隠さない強い瞳が田口を覗き込む。
―――俺を本当に夢中にさせるのはお前だけだよ。
そんな言葉を込めて、今度は田口から噛みつくようなキスを返した。
おしまい