以前別のジャンルでここのブログを使ってたのですが、閉鎖してしまいました;;
久し振りにこちらにお世話になるので、使い方に戸惑ってます。
さて、今日の小話は甘えんぼ将軍に行灯先生、手を焼く…の巻です。
もちろんデキてる二人ですー。
スヌーズ機能
田口は今、食事の仕度の最中。今日は珍しく速水と二人そろって週末の休み。
普段の睡眠不足に輪をかけて、久しぶりの逢瀬で濃密な一夜を過ごしてしまった為、起きたのはブランチの時間だ。
寝溜めをしたい気持ちも分からなくはないが、何事にも限度がある。
「速水、起きろよ!もう11時過ぎるぞ!」
ベッドルームへ入ると盛り上がった掛け布団がモゾモゾと動いた。
「ほらっ!おき…うわっ!」
布団から腕が伸びたかと思ったら、いきなり引き寄せられてベッドへと倒れ込んでしまった。
「待ってたぜ、行灯。」
ニヤリと笑う速水に対し、田口は思いきり渋面を作った。
「おい!起きてんなら早く着替えろ。」
「え~、何で?昨日寝る前に約束したじゃん。」
「は?……何だそれ?」
田口は思い出そうとするが、まったく覚えがない。
「…約束なんて……したっけか?」
「うっそ?!マジ覚えてないのかよ~?ひでぇなぁ。いたいけな俺の心を弄んだんだな。」
と速水はがっくりと枕に顔を埋めてシクシクと泣き始める。しかし大の男が嘘泣きをしたってうっとおしいだけなので、田口は取りあえず頭を叩いておく。
「…何の話だ?」
思い出さないといろいろと理由を付けられて飛んでもない要求をされそうなので、田口も乗り気ではないが記憶を探ってみる。
「だから、俺がもう一回シたいって言ったら……」
「…言ったら?」
「『だめ……その代わり朝…優しく起こして……やるぅ……』ってすんげー舌っ足らずな可愛い声で言うから俺、我慢したんだぜ。」
……まったく覚えていない。
「…お前、何か脚色してないか?」
「いいや、お前はそう言った。」
それは多分、陥落睡眠直前の話だ。
そういえば…速水に対して何か言葉を返したような……気がしないこともない。
身に覚えのある事をちょっとでも思い出してしまったものだから、田口も無碍に出来なくなってしまった。
ここで断ればベッドの上で3倍返しの報復措置か、1日中うだうだと拗ねられてうっとおしいか。
出来ればどちらもスルーしたい。
「だから『優しいモーニングコールと甘いお目覚めのキス』でよろしく♪」
田口が返事にもたついている間に、いつの間にかキスのオプション付きになっていたが、ワガママ将軍様はもう一度布団の中へ隠れてしまった。
田口は大きく嘆息してベッドの傍らに座った。
意を決して、もう一度横になった速水の耳元に囁く。
「速水…朝だから起きて…」
「………」
「ほら、飯冷めるぞ。」
言葉がさして甘くないのは仕方ない。その代わり頭を撫でて目元にチュッと口づけた途端、田口はあっという間に拘束されてベッドに組み敷かれていた。
「ちょっ…何だっ!!」
「もう一回っ!よく聞こえなかった!」
「ウソだっ!」
「スヌーズ機能付きじゃないのかよ?!」
スヌーズ機能…一度止めても何度も繰り返すアレだ。
「人間の俺にそんなもんは付いてないっ!」
「いや、お前には標準装備だろ?えっと確かスイッチが……」
とか言いながら、速水は田口の身体を服の上から撫で回す。
「…おいっ……だ‥め……」
「おっ、見っけ♪」
「…っ!…んっ……」
胸の突起を遠慮無く指でこねる。
「もう一ヶ所あるよな~vv」
と楽しそうに下肢に手を伸ばせば、目的の部分はすでに反応済み。速水は確信犯的な笑みで
「あ…目覚ましじゃなくて、エッチの方のスヌーズ機能押しちまった♪」
と上機嫌だ。
もちろんこの後、田口がブランチ代わりに美味しく頂かれてしまったのは当然のことだった。
きっと行灯先生のお怒りを鎮めるのに、将軍はマジ泣きの苦労をしたに違いない。