はじめまして。管理人のみさきと申します。
最近こちらのジャンルにハマリまして萌えが暴走した結果、ブログでお話などをちょっとずつ公開していこうと決意!
ささやかに、地味に(笑)開店させて頂きました。
しばらくBL・同人からは遠ざかっていたのですが、6年ほど前に自宅にインターネットが導入され、それをきっかけに見事に復活を遂げた次第です。
おそるべし、インターネット!
取りあえず本日はご挨拶代わりに小話を投下します。
お口汚しですが、ご笑納下さい。
ファースト・キスの顛末
バタバタバタッ! バタンッ!!!
狭い個室に足音も荒く駆け込み、乱暴に鍵を掛ける。
一人になれた事で、ようやく止まりそうだった呼吸が再開された。
俺が駆け込んだ先はお察しの通りトイレの個室。―――別に腹の調子が悪い訳じゃない。
密室になった事にほっとして、便座に腰掛けた。
しかし程なくすると、落ち着いた足音が近付き…ガツンと扉の低いが悲鳴を上げた。
「こら、行灯。」
間違いなく蹴りが入った。不機嫌MAXだ。
そしてこの声音も相当怒っている。
「ずっとそこにいるつもりか?」
「…そんなことない。お前が帰れば俺も出る。」
反論する声は上擦らなかった…と思う。でも、掌は変な汗をかいてる。
速水の声を聞いただけで、心拍数が三倍くらいに跳ね上がってそうだ。
落ち着け… 落ち着け、自分……
心中で呪文のように唱えれば唱えるほど、鼓動が増してきた。心臓が口から飛び出しそうだ。
「寄りによってトイレかよ?」
「……一人になれるのなんてココくらいだろう?」
「なんだか…なぁ……」
「うるさいっ!」
トイレのドア越しの虚しい怒鳴り合い。
情けなさ過ぎて…泣きそうだ。
でも……俺は悪くない。 俺は何にも悪いことなんてしてない!
「…俺は悪くない。」
「…うん。」
「俺は…悪くないぞっ!」
「ああ…分かってる。」
今度は扉の上の方でコツンと小さな音がした。―――位置からすると多分…額のあたり。
そして小さな吐息が聞こえる。
何でそんな優しい声が出せるのか? どうしてそんなに落ち着いてるのか?
そんなお前を、俺は知らないぞ?
お前に何があった? いつもの厚顔不遜なお前は何処に行った?
お前の唇が…そんなに熱く柔らかいなんて……知らなかった。
「なぁ、行灯。」
「………………。」
「出て来いよ。…もうしないから、あんな事。」
速水の馬鹿野郎!
そんな事言われたら………二度とココから出られないじゃないか!
学生時代でも卒業後でも、お好きなほうで妄想をw