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愚痴外来の将軍×行灯推奨のSSブログです。たまに世良×渡海や天ジュノも登場。
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2025/07/06 (Sun) 21:51:59

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No.267
2011/11/06 (Sun) 12:35:58

本日二度目の日記です。

先日、近所の大学の学祭に旦那と二人で出かけました。
私は一度、大学の中に入って見たかった!専門学校だったので、大学の雰囲気って知らないんですよ。
で、今後すずめ達を書くためにも少しでも感じを掴めたらと思いまして…なんて下心満載でww
旦那は仕事の関係上、会合があると年配者ばかりで若者を最近見ていないから…という悲しい理由;; 確かにキミの仕事関係の人達はリタイヤ組が圧倒的に多いもんね。

そんな中、行ったら旦那が急にミスコンを見たいと言いだし、「ああ…やっぱり若い女の子好きのオヤジと変わらないんだな。…そうか、看護学生との会食にときめく行灯と変わらないんだ…」と思ったのは秘密です。
ちなみに旦那の出身大学のミスコンは男子で行われたとの事。
今の時代じゃいろんな物が進歩してるから、きっとキレイな男の娘が出るんでしょうね~。

そんなこんなを盛り込んだ今回の更新。
学生しょうどんは書いてて楽しいです!

拍手[15回]


危険な学園祭

《一日目の災難》

田口はメインステージの楽屋を訪れていた。
今日の学祭で大学の伝統企画・男子ミスコンに速水と彦根が出ると言うので面白半分で覗きに来たのだ。
係り学生に聞きながら速水達のいる控え室を訪ねると…
「あ、ひこ…ね?」
真っ先に目に入ったのは、いつも銀縁のメガネを掛けて先輩を先輩と思わない言動が目立つ生意気な後輩…のはずだった。
「田口先輩!」
呼び掛けに答えた人物は髪を可愛いカチューシャでまとめ、ローゲージのセーターにミニスカート、ルーズソックスを履いていた。
銀縁メガネが辛うじてその人物の正体を表している。
「おま…化けるなぁ。」
板に付いた女装に田口は溜息をついた。表情さえ作ればちょっとしたツンデレ眼鏡っ娘だ。
「なかなかの力作だと思いますよ。あとはちょっと化粧するだけです。」
「そこまでやるのか?」
「そりゃ、やるからには徹底的にですよ。この日のために結構研究したんです。」
鏡に向かったその脇には女性雑誌のメイク特集のページが開かれている。
実はミスコンに力が入るのには訳がある。
優勝者への賞品が学食チケット二万円分なのだ。贅沢さえしなければ一ヶ月半くらいの昼飯代が稼げるとあって、出場者は意外と本気の構えだ。
「ところで速水は?」
「あ~、まだ来てませんよ。剣道部の模擬試合の関係で入るのがギリギリになるって言ってましたから。」
「なんだ、そうなんだ。」
せっかく間近で見て笑ってやろうと思ってたのに…と田口はがっかりした。

「あ…そう言えば……」
彦根が急に何かを思い出したらしく、席を立って奥にいるミスコン主催の学生と話をしている。しばらくすると主催側が大きな紙袋を彦根に手渡し、それを下げたまま田口のところへ戻って来た。
「ねぇ、田口先輩も出ませんか?」
「へ?」
「実は一人病気で欠場なんですよ。そいつと先輩は体格が似てるからコレが着れます。」
袋の中身はもちろん女装一式。どうやら学生服らしい。
「主催に確かめたら飛び入り大歓迎との事ですから」
「ヤダッ!絶対ヤダからなっ!」
「そんなこと言わずに…」
「女装して人前に出る度胸なんて俺には無いから!」
なんだかんだと控え室の片隅で騒いでいたら、いつの間にか話が部屋全体へと伝わってその場の全員に面白半分で勧められ、断りきれない雰囲気になってしまった。
結局半ば強引に衣装を押しつけられ、更衣室へと放り込まれた。

ガチャ…
更衣室から出て来た田口に全員が注目する。
へぇ…とか、おおっとか感嘆の声の他にちょっと喉の鳴る音も聞こえた。
白いブラウスの襟元にはエンジ色のリボンが結ばれ、ベストと膝丈のプリーツスカートはお揃いのチェック柄。白いハイソックスに茶色のローファー姿の田口は可憐な女子高生…のように見えた。
控え室全員の視線を一斉に浴びて、田口は居心地悪そうに更衣室の扉の影に隠れる。
「ほら、田口先輩!仕上げに軽く化粧してあげますよ。」
彦根が田口を引っ張りだし、自分の席へ座らせた。
「彦根…やっぱ恥ずかしいよ…」
勢いに押されて着てしまったものの、人から注目される事に慣れない田口は居たたまれない。
「平気ですって。みんな似たり寄ったりのおかしさです。」
ここで似合ってて可愛らしいとか言えば逃げ出すのは目に見えているので、あえて誉め言葉(?)は避ける。化粧は田口がひどく嫌がるので、仕方なく淡いピンクのリップだけさっと塗り、仕上げに髪に同じくピンクのハートが付いた髪留めを付けられた。
鏡の中の自分を見て田口はひどくげんなりとした顔になった。
「そんな仏頂面じゃ入賞も出来ませんよ。ほら、笑って!」
彦根がいつの間にか演技指導に入っている。

「わりぃ!遅くなったっ!!」
そこへ控え室のドアを乱暴に開けて飛び込んで来たのは袴姿のままの速水だ。
「は、速水!」
思わず声を上げてしまった田口だったが、当然その声に振り向いた速水は田口の女装を目にする事になる。そこに思い当たった時はもう遅かった。
「…へ?……あん、ど‥ん?」
声は田口だ。しかし見慣れない…しかも可愛らしい姿で真っ赤になって部屋の隅で恥じらっている。今度は速水の顔も真っ赤になってそのまま田口を見つめ、ふらふらと田口へと近付いた。
「はや、み…」
助けを求める田口の縋る瞳とリップで濡れた唇が悩ましい。そのまま抱きすくめたいが、秘めたる想いをこんな所で暴露するわけにもいかずぐっと我慢した。
「お、まえ…出るのか?」
速水の声は上擦って掠れているが、田口はそれどころではない。
「…さっき彦根とかに勧められて……断りきれなくなって…」
速水がすぐさま彦根を睨み付けた。こんな所で怒鳴られるのは御免だったので、彦根は素早く速水を廊下に連れ出した。

「おい、どういうつもりだよっ!」
「や~、僕もあんなにハマるとは思ってなかったんですよ。」
白々しく言う彦根を苦虫を潰したような顔で見る速水。
「あれならうまくすれば優勝…でも速水先輩だって負ける気は無いでしょうから、そこは譲ったとしても入賞はあり得ますよね。」
「ダメだ。行灯は出すな…ってか、あんな洒落にならないモンを出すなんて冗談じゃない。」
自分の想い人のあんな可愛い姿を学内どころか他校生も入り交じる観客の前に出す訳にはいかない!と速水は内心穏やかでない。
「ダメですよ。もうエントリー済みですから余程の事が無い限りキャンセル出来ません。」
「……お前、何を企んでる?」
「別に。ただ事が面白くなる方が盛り上がるでしょ、いろいろと。」
と彦根はにんまりと笑って控え室へと戻ってしまった。
これは速水の想いを知った上での嫌がらせに間違いなかった。
「…くそっ」
こうなったらヤケクソだった。田口の可愛さが霞むくらいに自分が目立ってしまえばいいのだ!

かくしてこの年のミスコンの結果は…。
ドラッグクイーンの王道を堂々と行った、迫力・貫禄共に十分なチャイナドレス姿の速水と、飛び入り参加ながら洒落にならないほど可憐で恥じらう女子高生っぷりを見せつけた田口のダブル優勝で幕を閉じた。開票してみればほとんどが二人の名前で、三位以下を断トツで突き放しての優勝だった。
これによってワイドスペクトルコンビの名声は一段と高まり、一時ではあるが昼行灯と称される田口にも時の人となった。



《二日目の厄災》

「おーい、田口!ちょっと手伝ってくれよ!」
そう声を掛けられたのは学祭二日目、ミニステージの袖近くでだった。
たまたま通りかかったステージは催し物の幕間で、一般参加による押し相撲大会の最中。ところが盛り上がりに今一つ欠ける。そんなところに田口がふらりと通り掛かったのだ。
ステージ上を仕切る司会は田口と同じ専攻の学生だ。
「え…お、俺?」
「うん、そうそう。お前、グッドタイミング!」
そう言って田口を無理矢理ステージに引っ張り上げ、マイクで叫んだ。
「はい、ここで飛び入り参加です!昨日のミスコンで優勝した田口君が参加しますよ!可憐な姿で会場を悩殺したあの田口君ですっ!!」
「おい、バカ言うなっ!!」
田口は慌てて口を塞ごうとするが遅かった。
え?とか、おお!とか様々な声が上がりステージ上の田口は一斉に注目を集めた。
「はい、田口君と勝負したい人っ!」
と言う声に、先ほどまで緩かった会場の雰囲気がにわかに色めき立つ。明らかに挙手する人(もちろん男性陣)が増え、ミニステージの下に人が集まり始める。
田口は再び断りきれない状況に陥った。

「おい、行灯が大人気らしいぞ。」
と速水に告げたのは島津だ。どうやら柔道部の連中が押し相撲の現場を見てきたらしい。
その様子を聞いてミニステージへと走った速水が見たものは…。
ステージ上で田口と、明らかに田口より体格の良い男が向かい合って押し相撲をしていた。ギャラリーは異様に盛り上がっていて、意外と白熱した試合になるのかと思いきや…田口が押しても相手は当然びくともしない。しかし相手が押そうとと手を出すと、田口が手を引っ込めた。まともに押し合えば勝てないのだからこれも当然の行動だ。
ところが相手は思いの外バランスを崩して、あろうことか田口の方へと抱き付く形で倒れ込んだのだ!
「うわっ!」
試合はものの十秒で決着がついた。
田口は相手を抱き止めたまま尻餅を付き、ギャラリーからは喝采やらブーイングやら怒濤のような声が上がる。

「…あの男……わざとだな…」
速水は拳を震わせてステージを睨む。今の相手はタイミングをずらしてわざと負けたとしか思えない。その証拠に次の試合もほぼ同じ形で挑戦者の負けだった。
―――奴らみんな、行灯に抱き付きたくてわざと負けてるんだな!
速水の見ていない時に、田口は何人の男達に代わる代わる抱き付かれたことか…
そう思った瞬間、速水は混雑するステージ下を強引に分け進みステージへ乱入した。と思ったら、素早く司会からマイクを取り上げて
「てめぇらっ!行灯に気安く抱き付くんじゃねぇっ!!!」
と大音声で言い放った。
速水は突然の事に目を白黒させている田口の手を取って、二人してステージ中央階段から颯爽と退場した。

後日、『速水が田口に愛を叫び、姫だっこしてそのままステージ上がら略奪して行った』と面白おかしく脚色された噂が流れ、二人は更に別の意味で注目度が高くなった。
当然田口の機嫌は良いはずもなく、しばらく速水には近付かないと言っている。
速水はと言えば…田口に避けられて悲壮な顔で鬱々としながら練習に打ち込み、部員達が困惑の極みで溜息をついていたとか。
 


若いっていいねぇ。ナニがあっても若さ故の過ちで済まされる。
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